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民間企業に勤めている方の多くは、月々の給与から社会保険料が天引きされていることでしょう。
日本では、「国民皆(かい)保険」「国民皆(かい)年金」といって、すべての国民が何らかの公的医療保険(健康保険)、年金保険、介護保険に加入しなくてはならないことになっており、この3つの保険をまとめて社会保険(狭義)といいます。しかし一般的には、会社などを通して加入している健康保険、厚生年金保険、介護保険のことを社会保険とよぶことが多いです。
では、この社会保険とはどのような制度で、どのような計算方法で加入者の負担額(保険料)が算出されているのでしょうか。今回は、社会保険(会社などを通して加入している健康保険、厚生年金保険、介護保険)について、社会保険料の計算方法や控除などの仕組みを解説していきます。
社会保険とは、日本国民の生活を経済面で保障するための公的な保険制度です。加入者やその家族が病気、怪我、死亡、介護、失業などのリスクを負った際に、そのリスクの内容に応じた給付が行われます。
社会保険には、本来以下の5つの保険が含まれています。
・医療保険(健康保険)
・介護保険
・年金保険
・労働者災害補償保険(労災保険)
・雇用保険
しかし実際には、医療保険(健康保険)、介護保険、年金保険が社会保険(狭義)とよばれており、労災保険と雇用保険は労働保険とよばれています。さらに、一般的には先述の通り、会社員などが会社を通して加入している健康保険、厚生年金保険、介護保険のことを社会保険とよぶことが多いです。
社会保険は、基本的に以下1、2のいずれかに当てはまる人が加入する保険です。
1.所定労働時間が週30時間以上である人
2.下記すべての条件を満たす人
・ 所定労働時間が週20時間以上
・月額賃金が88,000円以上
・雇用期間が1年以上の見込みである
・学生でない
・従業員501人以上の企業、または従業員500人以下の企業で労使合意した場合
パートタイムやアルバイトとして働いている人も、平成28年10月1日からは条件を満たせば社会保険の加入対象となりました。社会保険へ加入すると下記のようなメリットを享受できるため、一般的には社会保険に加入したほうが有利と考えられます。
<社会保険に加入するメリット>
・基礎年金+報酬比例の厚生年金を受け取れる(将来もらえる年金額が増える)
・障害がある状態になったとき、障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされる
・死亡したとき、遺族に遺族基礎年金に遺族厚生年金が上乗せされる
・病気やケガ、出産で仕事を休んだとき、傷病手当や出産手当が給付される
・保険料の半分は会社が負担してくれる
社会保険料は、一般的には給与から天引きされます。その金額は、以下4項目の合計です。
・健康保険料
・厚生年金保険料
・雇用保険料
・介護保険料(40歳以上の人のみ)
※労災保険料は全額会社負担
健康保険料は、基本的には給与額をもとに割り出された金額(標準報酬月額)に保険料率をかけて計算されますが、その料率は加入している健康保険によって異なります。自分の健康保険料を知りたいときは、加入している健康保険の「健康保険料額表」を見てみると良いでしょう(インターネットで調べることも可能です)。なお、健康保険料は半額が会社負担になるため、実際に加入者が支払う金額は健康保険料額表に載っている「折半額」です。
賞与に関しては、賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた金額を標準賞与額とし、その標準賞与額をベースに同様に計算されます。
厚生年金保険料は、給与額をもとに割り出された金額(標準報酬月額)の18.3%と決められており、具体的な金額は厚生年金保険料額表に掲載されています。厚生年金保険料も半額が会社負担になるため、実際に加入者が支払う金額は厚生年金保険料額表に載っている「折半額(9.15%)」です。
賞与に関しては、賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた金額を標準賞与額とし、その標準賞与額に保険料率18.3%(折半額は9.15%)をかけて計算されます。1回の支給ごとに150万円が上限とされています。
雇用保険料は、以下の表のように計算されます。
※厚生労働省WEBサイトから抜粋しています
社会保険料控除とは、社会保険料を納めたときに受けられる所得控除のことです。所得控除とは、所得税や住民税の計算の際に所得額から差し引くことのできる金額のことをいいます。
所得控除については、本来は年末調整の際に用紙に記入して申告しますが、給与天引きされている社会保険料については、事業所(会社)がまとめて申告することになっています。つまり、社会保険料控除について、加入者が申告するような手続きは特にありません。
社会保険料について、制度の説明、社会保険に加入するメリット、社会保険料の控除方法などを解説しました。社会保険料は基本的には受け取っている給与額にもとづいて計算されており、支払った金額は全額所得控除されます。手続きは会社が行うので、特に自分で申請する必要はありませんが、源泉徴収票が届いたらその金額を確認してみると良いでしょう。
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