高額な医療費を支払ったときに助かる高額医療制度「高額療養費制度」とは?

2019年10月19日・社会保険

重篤な病気にかかったり、思わぬ事故で大けがをしたりした場合に、高額な治療費がかかることがあります。そういう時に、医療保険に加入していなかったり、あるいは保険金だけでは治療費が賄えなかったりすると大変なことになるのでは……。そんな不安を感じたことはないでしょうか。

実は、高額な医療費がかかった場合に利用できる「高額療養費制度」という制度があります。今回は、知っているのと知らないのとではいざという時に大きな差が生じる「高額療養費制度」について解説します。

1.高額療養費制度とは?

高額療養費制度とは、医療費の家計負担が一定の金額を超えないよう上限を定め、上限額を超えた分は国に負担してもらえるという高額医療費のサポート制度です。

この制度を利用すると、医療機関(病院)や薬局での支払いなど、1か月あたりの医療費負担額が厚生労働省の定める上限額を超えた場合に、その差額が支給されます。支給の限度額はなく、どれだけ医療費がかさんでも、実際に個人が負担する医療費は実質上厚生労働省の定める上限額の範囲内で済むことになります。

ただし、入院時の差額ベッド代や食事負担などは医療費としてカウントされません。また、薬局で市販薬を大量に購入しても医療費とは認められず、医師の処方箋に基づく薬代だけがカウントされることになっています。

2.医療費の上限額

医療費の上限額は、下記の表のように定められています。

69歳以下の方の上限額

70歳以上の方の上限額

※  厚生労働省保険局 「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」より抜粋

この表を見てわかるとおり、厚生労働省が定める上限額は年齢や年収などによって違いがあります。所得の少ない人や年金生活の高齢者など、医療費が家計を圧迫しやすい人を手厚く支える仕組みになっている一方、高所得者はかなりの額の医療費まで自己負担しなくてはならなくなっています。たとえば年収が1,160万円以上ある場合、年齢にかかわらず「252,600+(医療費-842,000)×1%」が一か月あたりの上限額となっており、これを超えた分しか高額療養費は給付されないということになります。

とはいえ、こうした高額療養費制度によって月々の医療費の自己負担に限度額があることを知っておけば、医療保険に加入する際にもそれを加味したうえで検討すれば良いということがわかってくるでしょう。月々の支払保険料が重負担にならないよう、家計に無理のない医療保険を選ぶ目安となるのではないでしょうか。

3.高額療養費制度の支給対象は?

高額療養費制度の支給対象となる医療費は、「保険適用される診療」に限られています。たとえば、最近注目される陽子線治療や重粒子線治療などの先進医療は高額療養費支給の対象になりません。

また、妊娠・出産に伴う検査費や入院費なども高額療養費の対象にはなりませんが、妊娠・出産時のトラブルで治療が必要になった場合には対象になることがあります。

4.高額療養費の支給申請のしかた

高額療養費を申請するためには、公的医療保険(加入している健康保険組合)に、領収書などを添えて高額療養費支給申請書を提出します。申請書が受理されれば、指定口座に高額療養費が振り込まれます。

なお、申請から振込までには3か月くらいかかるため、その間はかかった医療費を全額家庭で負担する必要がありますが、負担が困難な場合は、高額療養費が支給されるまで無利子でお金を借りられる「高額医療費貸付制度」を利用することができます。ただしこの貸付制度には規定があるので、利用を予定している場合は事前に確認しておくと良いでしょう。

5.まとめ

高額療養費は、誰もが安心して医療を受けることができるよう、家計を圧迫するほどの高額な医療費を国が負担するという制度です。このため健康保険の対象以外の医療費には適用されず、また所得に応じて給付額も大きく変化します。

高額療養費制度は申請が必要な制度で、自動的に適用されるものではありません。今後、高額な医療費を支払うことになった時に備えて、そのことだけでも覚えておくと安心できるのではないでしょうか。

<出典>

厚生労働省保険局 「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」よりデータを抜粋しています

【この記事の著者】

フォーチュンポケットマガジン編集部

フォーチュンポケットマガジン編集部

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