「賃貸アパート建てるほど広くはない」土地の相続をどう考えるか

2021年03月04日・相続・遺言
「賃貸アパート建てるほど広くはない」土地の相続をどう考えるか

目次

    相続は自分ごとではないという人も、突然に当事者になる可能性があります。最も考えられるのは親が居住していた「実家の相続」です。幼い頃に育った実家は相続資産であり、兄弟など相続人のいずれかが承継します。いわば親世代からの「思い出」の相続です。

    ただ、所有しているだけで固定資産税と都市計画税が課税される実家の土地は、メリットのある相続資産とは言い切れないのも事実です。よくハウスメーカー等から提案され賃貸アパートを建てる話を聞きますが、ある程度の面積がないとそのような建築が厳しいのもまた現実です。戸建敷地の土地承継はどのように考えるべきなのでしょうか。
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    1.賃貸アパートを建てられない面積の土地相続はどう考えるか

    「賃貸アパート建てるほど広くはない」土地の相続をどう考えるか

    土地を相続した際の有効な運用、いわゆる「土地活用」として代表的なのが賃貸アパートの建築です。ハウスメーカーに対して土地は売却せず、金融機関から建築費を借入したうえで建物を「請負契約」にて建築し、完成後に入居者から入った家賃で返済していきます。業者に対して貸し付けるサブリース型もありますが、土地を所有したまま活用するのが一般的です。この方法は、建築費との見合いがポイントです。想定される賃貸収益より月あたりの返済額が大きいと、家主の持ち出しとなり、土地活用をする意味が無くなります。収益額は賃貸アパートの建てられている場所や構造(鉄骨や木造など)、間取りにもよりますが、最低でも5戸以上の戸数がないと収支面から成立しない可能性が高いでしょう。

    では、相続したのはいいけれど賃貸アパート運用が難しい場合、どのように対処法を考えればいいのでしょうか。ここで注目されている3つの方法があります。

    ①賃貸戸建(賃貸併用住宅)

    賃貸アパートではなく「戸建」を賃貸用途にするケースです。2LDK、3LDKといった戸建てを賃貸用に建築します。賃貸アパートに比べ戸数は低いものの設定家賃が高いのが特徴です。建築費も抑制できるケースが多いので、期待通りの収益が取れるのかを確認して選択肢に入れましょう。ファミリータイプの賃貸レートが高い都市部の住宅街で、買い物環境が整っている街の土地を相続した場合はよりお勧め。いちから建築するほかに、親の住んでいた物件をリノベーションして貸し出す考え方もあります。この発展形として、自分たちの居住スペースを確保しながら賃貸用の部分を提供する「賃貸併用住宅」もあります。賃貸併用の場合は(居住用部分を抜いて)賃貸部分の建築にどれくらいの費用がかかるかと、家賃収益の見合いで判断しましょう。

    ②トランクルームやレンタルコンテナなど

    ここ10年前後で急速に存在感を増してきた運用方法がトランクルームやレンタルコンテナ。居住物件には当面使わない荷物や衣類など当面使わないものを一時預託します。土地所有者から見ると、これらトランクルームなどの土地運用をするメリットは賃貸アパートなどに比べ建築費が安いこと。そして、土地活用として「流動性が利く」ことです。

    流動性とはなんでしょうか。土地は不動産(動かない動産)というだけあり、一度何かを建ててしまうと他用途へと転用するには時間がかかり、かつ多額の解体費も必要となります。近隣に大学や工場があって独身者用の賃貸アパートを建築したのはいいけれど撤退となり、以後収益が見込めないというリスクはその代表的なもの。土地自体は親世代からの相続で購入費がかかっていないとはいえ、土地活用はリスクが高いといわれる大きな理由でもありました。

    トランクルームやレンタルコンテナであれば、土地まわりの環境が変わると低いコストで対応することが可能です。相続後、賃貸アパートを建てるのはリスクが高く踏み切れないという場合に、トランクルームなどで一時的な収益を得るのもお勧めです。

    ③駐車場

    トランクルームと並行して流動性の高さが際立っているのが駐車場としての利用。最近若年層は車に乗らなくなっているという見解もありますが、日本国内の自動車保有台数は2010年代に8000台を超えるなど増加傾向にあります(自動車検査登録情報協会「我が国の自動車保有動向」)。1家2台持ちの複数所有が増えたのが理由と考えられるため、都市部・地方問わず駐車場経営は十分にリターンが期待できる方法です。駐車場といっても大別して3つの形態があり、費用感は大きく異なります。次項でタイプ別に詳細を説明します。

    2.最も流動性の高い駐車場運用。代表的な3つのタイプ

    「賃貸アパート建てるほど広くはない」土地の相続をどう考えるか

    ①整備型

    厚さのあるアスファルトを敷き、自動車ごとの駐車スペースや隣地との境界壁も投資した整備型。投資費用がかかりますが、後述する②や③と比較して契約が埋まりやすく、高い賃料も期待できるという面があります。

    ②簡易アスファルト型

    簡易型のアスファルトを駐車スペースに敷き詰める方法です。整備型ほどではないものの、ある程度初期投資が必要になります。

    ③砂利型

    アスファルトは使用せず、砂利を敷き詰めた「のみ」の駐車場。投資費用がかからない一方で、駐車場賃料が低く抑えられてしまう側面も。ただ本項で重視したいのは、状況が変わったときに撤去等の「流動性が保てるかどうか」です。その視点ではとりあえず砂利型にしておき、収益を生みながら次作を考えるという繋ぎの手段でもあります。状況および費用感、先行投資にかけられる原資から判断していきましょう。

    3.ハウスメーカーに聞くのも忍びない。いったい誰に相談すべきなのか

    「賃貸アパート建てるほど広くはない」土地の相続をどう考えるか

    広大な土地を有していると、ハウスメーカーや建築会社からの営業(未だ飛び込み営業もあります)があり、対応に苦慮する一方、最新情報を取得できる機会があります。ただ、そうではない土地の場合は誰に相談して良いかわからないのが実際のところ。お勧めなのは、不動産仲介や建築会社のセミナーなどにフットワーク軽く赴くことです。多くのセミナーは、講師によるセミナーのあとで「個別相談」が設定されています。ここで状況を話し、最適な土地活用を相談すると、所有している資産・家族の状況(土地だけではなく準備できる現金や家族構成など)をもとに個別のアドバイスを貰える可能性があります。不動産会社に相談すると営業されそうで、という場合は税理士やFPなどの専門家に相談してみましょう。不動産運用を前提としない、客観的なアドバイスを貰うことができます。

    4.まとめ

    一昔前、相続の問題は広大な土地を持った富裕層に限定される話、という先入観がありました。2015年の相続税法改正などを経て、さまざまな資産環境の人にとって相続はよい身近なものになっています。今までの富裕層を中心とした専門家の相談体制では追いつかない部分も増えてくることでしょう。とはいえ土地の活用は一世一代の資産運用です。情報を集め、最適の方法を考えていきましょう。

    【この記事の著者】

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

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