勤務先から「確定拠出年金をはじめる」と言われたら。改めて考える老後資金準備とは

2021年03月18日・年金
勤務先から「確定拠出年金をはじめる」と言われたら。改めて考える老後資金準備とは

目次

    老後資金には様々な方法があります。これまで会社は従業員の退職後を見越してさまざまな支援策を展開し、定年後の生活をサポートしてきました。代表的な方法が「会社の準備した拠出金運用による老後資金の提供」です。ただ近年になりその方法は大きく変遷しており、これまで「確定給付」年金の運用が多かったところが国の掲げる貯蓄から投資へ、の考え方のもと、従業員自身に運用を促す「確定拠出年金」への移行が増えています。
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    1.確定給付年金と確定拠出年金(企業型・個人型・iDeCo)の違いは

    勤務先から「確定拠出年金をはじめる」と言われたら。改めて考える老後資金準備とは

    まず確定給付年金について。DBと略され、現在もっとも浸透している会社による老後保障制度です。2019年3月現在で約940万人が加入しています。積立式と誤解されますが実際はそうではなく、会社が拠出した原資について会社が運用し、その利益を従業員に還元します。万が一会社に損失が発生してしまった場合は、その分を会社が補填するのも特徴のひとつです。現実としては会社に運用技術が無いため、生命保険会社や信託銀行などが受任して運用します。

    一方で確定拠出年金とはDBで企業(委託を受けた金融機関)が行う運用部分を、従業員自身が行うものです。こちらはDCと略されることが多いです。掛金を会社が提供する企業型と、従業員の給与から拠出する個人型に分かれます(企業型DC・個人型DC)。加入についても、従業員が自動的に加入するケースと、加入を選択できるケースがあります。このうち個人型が、最近メディアで多く名前を聞く「iDeCo(イデコ)」です。

    ①なぜiDeCoが増えているのか

    なぜiDeCoが注目されているのでしょうか。DBは従業員にとってメリットが多いですが、会社にとっては負担が大きいものです。運用でマイナスが発生した場合の損失負担はもちろんのこと、損失が出ないように投入する管理コストも企業にとって悩みの種です。金融機関に委任するといっても、企業側でそれを管理する人件費コストが掛かります。ここに国が掲げている「貯蓄から投資へ」という風潮が加わり、確定拠出年金への移行が注目されています。iDeCoの制度変更も追い風となり、2017年1月以降それまで加入対象外だった自営業者や会社員・公務員・専業主婦(主夫)が対象に加わったことで加入者が急増しています。メディアでその名称を耳にすることも多くなってきました。

    確定拠出年金の企業型の場合、企業が拠出金を用意するという意味ではDBとの違いはありません。ただ、運用を従業員に任せるだけの管理コスト抑制は期待できます。さらにiDeCoは拠出金も給与原資のため、企業にとって最も負担の少ない方法といえるでしょう。企業型DCの掛金上限は月額で55,000円です。ただし他に企業年金に加入している場合は、27500円が上限となります。

    ②企業型DCの場合は「マッチング拠出」に注目する

    会社が拠出してくれるのはいいけれど、金額が抑え気味なので将来が不安という印象もあるでしょう。その場合にお勧めするのが「マッチング拠出」です。これは会社の拠出する掛金にプラスして、従業員自身が追加拠出できる制度です。自身で運用をしたうえで、老後の安心を付加することが出来ます。ただし個人の拠出額が会社の拠出額を超えないことと、会社+個人の拠出額が前項の企業型DCとしての上限を超えないことという条件があります。また、そもそも企業型DCは導入していてもマッチング拠出を導入していない会社もありますので、勤務先に確認するようにしましょう。

    2.企業型DCと個人型DCのどちらがいいのか

    勤務先から「確定拠出年金をはじめる」と言われたら。改めて考える老後資金準備とは

    では、勤務先からDCをはじめると言われた場合、企業型とiDeCoのどちらがいいのでしょうか。

    ①iDeCoに「入ることができるか」を確認する

    まず、会社員として自身がiDeCoに加入できるかどうかを確認します。前項の企業型に加入している場合、会社の規約でiDeCoにも加入することが許可されていなければ、iDeCoには加入できません。また前項のマッチング拠出の場合も、iDeCoには加入できません。企業型DCは会社で掛金拠出して貰えますので、敢えて全額を給与から拠出するiDeCoの意味はありません。企業型DCの運用に集中しつつ、「ほかの」資産運用方法を考えましょう。

    ②自由度が高い「いくらをiDeCoに拠出するか」を考える

    会社がリードを取る企業型DCとは異なり、iDeCoは最低月額5000円から拠出できる自由度の高い制度です。iDeCoの月ごとの上限額は、属性によって異なります。

    勤務先から「確定拠出年金をはじめる」と言われたら。改めて考える老後資金準備とは

    老後資金の準備で(特に現役世代において)気をつけたいのは、iDeCoを貯蓄の延長と考えてしまうこと。非課税のメリットもあるため、多少生活を切り詰めてiDeCoの原資としている人を見ますが、これはお勧めできません。

    iDeCoをはじめ確定拠出年金では基本的に、一度拠出したお金は60歳になるまで引き落とすことができません。老後資金として貯蓄を貯めている場合は、万が一予想外の何か(病気や止むを得ない出費など)があった場合に一時的に引き落として対応しますが、iDeCoはそれが出来ません。きわめて「流動性の低い」方法ともいえるでしょう。

    ③NISAという運用方法も良く耳にするが何が違うのか

    同じく資産運用にNISA(少額投資非課税制度)もありますが、現役世代に運用を促すNISAと、老後資金の獲得に特化したiDeCoはまったくの別物。自身のライフプランとしてiDeCoが必要なのか、それともNISAをはじめとしたiDeCo以外の運用方法がベターなのかを考えましょう。DB・DC以外で会社が準備している退職金制度に加え、そもそも公的年金でどれくらい貰えるのか(毎年の誕生日近くに届くねんきん定期便で確認することが出来ます)、民間保険の積立年金や定期保険で確保できる想定額と、そもそも自分に必要な必要額を算出し、検討するようにしましょう。

    3.まとめ

    勤務先に「確定拠出年金をはじめる」と言われたら、それまで意識していなかった老後資金の具体的な方法を考えるチャンスです。会社の体制により企業型がいいのか、自身で拠出金を追加するのか、またiDeCoなのかを考えていきましょう。企業型DCの場合は会社がライフプランのアドバイザーを委託している場合も多いですし、iDeCoもFPを始め、様々な専門家がライフプランと組み合わせたアドバイスを展開しています。改めて考える老後資金準備の「きっかけ」としましょう。

    【この記事の著者】

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

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