ライフプランと個人資産の管理アプリ・フォーチュンポケット
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妊娠から出産は数あるライフイベントの中でもその家族や親族にとっておめでたいことの最たるものでしょう。一家総出でお祝いとなりますが、もちろんお金のことは避けて通れません。「知らなかった」「申請しなかった」で吉事に水を差さないためにも、払うお金やもらえるお金について今一度考えてみましょう。
また、各項目の()欄に金額の目安を記載してありますので、先に確認してもらうのも一つの方法です。
(金額の目安:およそ10万円)
妊婦検診は胎児の状態を診るだけでなく、医師や助産師のアドバイスがもらえる機会でもあるので、出産や育児に関する不安もぜひ相談してみましょう。妊娠初期~中期は月1回~2週間に1回、後期は1週間に1回病院に行き、毎回5,000円から10,000円前後の費用が発生します。
約15回合計10万円ほど掛かりますが、母子手帳と共にもらえる「妊婦検診補助券」というチケットを利用することで費用の一部が補助されます。また、年度末の確定申告制度では費用が医療費控除の対象になっていますので、領収証は忘れずに保管しておきましょう。
確定申告はやったことが無いし、難しそう…という方は無料の確定申告アプリで簡単にできるので、そちらを活用してみましょう。
出産の際に里帰り出産する方は多いと思います。しかし、意外と知られていないのが都道府県によって出産費用にかなりバラつきがあること。
これは病院が公立か私立だったり、病院か診療所だったり、条件に応じて金額が変わってきますが、あくまで傾向として出産費用が「高い」「安い」県を以下にご紹介します。
・出産費用が高い県(正常分娩の場合)
1位:東京都 621,814円
2位:神奈川県 564,174円
3位:栃木県 543,457円
・出産費用が安い県(正常分娩の場合)
1位:鳥取県 396,331円
2位:熊本県 415,923円
3位:沖縄県 418,164円
東京と鳥取では20万円以上の開きがあり、時間外入院や入院期間、個室利用料等の追加でかかる費用によって約10万円の差が生じますが、各県によって金額はまちまちなのです。
正常分娩分の平均的な出産費用については、国民健康保険中央会が出している以下の資料にまとめられていますので。ぜひご覧ください。
ちなみに妊娠・出産は病気ではないため、妊娠・出産に関する費用は医療保険の適用にはなりません。ただし、帝王切開等の正常分娩(通常の出産方法)とは異なる出産の場合には医療保険の対象となり、高額療養費制度も利用できます。
(金額の目安:42万円)
誰でももらうことができるため、まず忘れずに申請しておきたいのが「出産育児一時金」です。健康保険に加入していれば、1児につき42万円支給されます。(双子なら倍額となります)
出産した病院が直接健康保険に対して一時金の支給申請を行ってくれる「直接支払制度」を利用すると、申請の手間がかからず自己負担額も出産育児一時金を差し引いた額のみが退院時に請求されます。
直接支払制度が利用できなかったり、手数料が取られたりする病院もあるので、上記の出産費用と共に出産予定の病院に確認しておくと良いでしょう。
(金額の目安:月給20万の場合、およそ43万5千円)
一般的に産休中は給料が支払われないことがほとんどですが、出産で休職すると収入が減ってしまうため、出産後の生活に不安を抱く女性は多いでしょう。そのような不安を解消し、出産後の生活を助けるため産休中の生活を支えるために勤務先の健康保険から支給されるのが出産手当金です。
※産休とは出産休業のことで産前42日間と産後56日間の休みを指します。
出産手当金がもらえる条件は会社員や公務員として勤務先の健康保険に加入して保険料を払っており、産後も今の仕事を続ける女性が対象となります。
そのため、専業主婦や自営業・自由業、夫の健康保険に加入している女性、パートやアルバイトで国民健康保険に加入している女性は対象ではありません。
逆にパートやアルバイトでも勤務先の健康保険に加入している場合は出産手当金の受給資格があります。
ちなみに出産手当金は健康保険組合からもらえるお金であり、会社から支給されるものではありません。まれに会社に遠慮して申請をためらう人がいますが、遠慮する必要はありませんので権利として堂々と申請しましょう。
<1年間の標準報酬月額の平均が20万円の女性が98日間産休を取得した場合>
(金額の目安:月給20万で子どもが1歳になるまで育休を取得した場合、およそ120万円)
育児休業給付金は、一般的には無給状態となる育休中に加入している雇用保険から給付金が支給される制度です。子供が1歳(特別な理由がある場合は1歳6か月)まで給付を受けられるので、育休中の家計をしっかりとサポートしてくれます。
※受給期間は最大で10か月です。
また、育児休業給付金は育休を取得した夫も給付対象となっている特徴があります。
ママは産休期間(原則出産後翌日から8週間)後から育休開始。パパの場合は出生日または出産予定日から取得することができます。また、保育所の入園まちなど特別な理由がある場合、申請すれば赤ちゃんが2歳に達する日まで育休期間が延長することができます。
<月給20万円の方が子どもが1歳になるまで育休を取得した場合>
今回ご説明した「妊婦検診費用の補助」「出産育児給付金」「出産手当金」「育児休業給付金」の4つの助成金・給付金について、女性の働き方に応じて表にまとめてみましたのでご参照ください。
改めて見ると会社員等のいわゆる勤め人は制度上優遇されていることが分かりますね。
<主婦や会社員がもらえる給付金の一覧>
※△:退職の前日まで1年以上継続して勤務していた女性が退職日から6か月以内に出産した場合には出産育児一時金は支給されます。
また、どのタイミングでどの給付金がもらえるかを図示した表も付けておきますので併せて参考にしてみてください。
今回は妊娠から出産にかけて、どれくらい掛かるのか、そして、もらえるお金にはどんな種類があるのかをまずは知ってもらうための内容になっています。これから子どもを育てていく上でお金のことを考える機会は数多く出てくると思います。その際に知らないでは済まされない、親であるなら当然知っておくべき制度を十分に活用していく必要があります。妊娠から出産が子どもと踏み出す第一歩であるなら、この記事がお金のことについても「知る」「関心を持つ」ことの第一歩になれば幸いです。
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