「1,000万円以上」貯金がなくても口座使い分けは必要?賢い家計の複数口座管理について

2020年03月24日・ライフプラン
「1,000万円以上」貯金がなくても口座使い分けは必要?賢い家計の複数口座管理について

目次

    日常生活ではいくつの銀行口座を持っているでしょうか。一般的に知られているのは「ペイオフ制度」という言葉ですが、たとえ1,000万円の上限額が無くても、複数(銀行)口座の使い分けは家計にとって良い影響があります。今回は賢い家計管理に役立てる、複数の口座管理について解説します。

    1.ペイオフ制度とは

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    もともと複数口座を持つべき!というアドバイスは、ペイオフ制度への対策として浸透しました。ペイオフ制度とは、自身が預金している金融機関が破綻したときに、預けていた金額のうち「1,000万円とその利息」までしか保護されないという仕組み。「預金保険制度」を導入している金融機関が対象です。

    ペイオフ制度が解禁された2005年、1,000万円以上の資産を持つ人はこぞって、1,000万円超過分をほかの金融機関に預けなおすペイオフ対策を進めました。ただ、これは大きな資産を持つ富裕層に限った話ではありません。複数の口座を活用することは、家計管理の面からも効果的です。

    2.複数口座を持つことで家計管理へのメリットとは

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    ①支出用と貯蓄用

    お金が貯まらない家庭の特徴として「いつの間にか口座残高が少なくなっている」ということが挙げられます。対策はあらかじめ貯蓄用の口座を持つこと。毎月の給料から余剰金として生まれた金額を貯蓄するのではなく、最初に「天引き」をしてしまいます。位置づけとしては年金や健康保険料と同じ。それを貯蓄用に回すことで、次月の給料日前には「あと〇日で給料日だけれどやり繰りが厳しい」となっても、貯蓄用の口座にはあらかじめ貯金されています。

    この「あと〇日」の節約モードになったときに、貯蓄用口座の存在を忘れていることが大切です。存在を覚えているとどうしても、「今回は引き出そう。引き出すのは今回だけにしよう」と、貯蓄用口座のキャッシュカードに手が伸びます。それが繰り返されると、少しずつ引き出すハードルが下がるもの。これが家計管理には大敵です。貯蓄用のキャッシュカードは金庫に入れて、そうそう取り出してなるものかという心構えが大事です。

    ②どの支出にどれだけかかっているか、支出の顕在化をする

    複数口座の活用法は貯蓄だけではありません。支出項目「別」に口座を分けることも賢い方法です。

    口座① … 食費、水道光熱費、雑費

    口座② … 家賃、駐車場料金、交際費、消耗品費

    大切なのは月が始まるごとに、予め支出がどれくらいになりそうかを試算したうえで食費や家賃を管理する①、②の口座それぞれに収入(給料)を入れておくこと。そうすると一カ月を過ごすなかでどちらかの口座が無くなった(残高が少なくなってきた)ときに、どの部分に最初の試算とズレが生じているのかがわかりやすくなります。月始にお金を入れて月末に確認するのでは時間が空き過ぎるので、10日、20日など10日前後のスパンで確認するのが良い塩梅ではないでしょうか。

    このときに大事なのは、それぞれの口座で管理する支出項目を「変動費と固定費で混ぜること」です。固定費とは地代家賃など、生活スタイルによって金額が変動するものではない支出のこと。たとえば1月は100時間自宅にいた一方、暖かくなってきた2月は70時間しか自宅にいなかった場合も、月々の家賃額は変わりません。これが固定費です。

    一方の変動費は食費や交際費など、多くなる場合も少なくなる場合も含めて、金額が変動する支出のこと。交際費は夜の飲み会が増えれば累進的に上昇していく代表的な項目のため、最近のコロナウイルスによる自粛要請で交際費が一気に減少している人も多いでしょう(それは飲食業界の不況に直結する問題でもあります)。

    提案している支出項目別に複数の口座を持つことは、どの支出が一番多いかを比較するものではありません。その支出項目ごとに「どれくらい減らすことが出来るか」「急激な支出増加を防ぐことができるか」を目的に、それらの顕在化を目指して行うことです。そのため金額の上下が無い固定費と、上下が発生する変動費を上手に組み合わせて管理することが大切。たとえば交際費が高いなという自覚している人は、家賃と交際費といった変動性が両極端な組み合わせにするとよいでしょう。また、食費といっても範囲が広いので、食料費と(お酒を始めとした)飲料費を別々に管理するのもひとつの方法です。そのうえで大切なのは、1-2カ月短期間で取り組んで減少したと喜ぶのではなく、数カ月試してみてはじめて「分析」を進めること。1カ月で減少したから良かった、では効果も半減してしまいます。習慣になってはじめて、客観的に数字の動きを見てみるようにしましょう。

    3.ネットバンクを上手に活用しよう

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    とはいえ、随時口座の残高を確認するのはとても手間。。。と考える人も多いでしょう。そこで「ネットバンク」の出番です。ネットバンクなら、勘定や残高などを随時インターネットで確認することができます。また銀行通帳もインターネット上で管理されているため、想定外の(記憶に残っていない)支出もすぐに追跡することが可能です。複数口座の管理のため、あらたに銀行口座を開設する必要があるという場合は、ネットバンキングを優先的に検討するようにしましょう。なお、元々使っている銀行の口座があるという場合も、充実したネットバンキングページを有している銀行も数多いです(特にメガバンク)。各社のホームページなどで広く告知されていますので、検討してみましょう。なお、ネットバンキング専用銀行に比べて、ネットバンキングページは手数料が高めに設定されている場合も多いので、支出目的でのネットバンキングページ開設で負担が増える皮肉な結果にならないよう、注意しながら進めましょう。

    4.夫婦世帯と独身世帯が「複数口座」に向いている理由

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    複数口座による家計管理。理想は、夫婦それぞれで複数の銀行口座を持つことです。夫婦で家計管理をしている場合は、表に出ていないお金も多く、家計管理の大敵になります。夫婦それぞれで複数口座管理を進め、協力して貯金を殖やしていきましょう。それは同じように家計が見えづらい「独身世帯」も同様です。一般論としてのイメージで恐縮ですが、独身世帯は交際費や食費といった変動費ほど管理できず、高い月と低い月の差が大きいのではないでしょうか。それを管理するため、最寄り駅の駅前にあるふたつの銀行に口座を持ち、顕在化することで状況は大きく変わります。ぜひ試してみることをお勧めします。

    今回は複数口座を管理するときのポイントをお伝えしました。ペイオフの対象ではなくても複数口座を使ってやり繰りを進め、1,000万円を超えたら「ペイオフ対策」としても複数口座を使う。そのためには、粘り強いやり繰りが大切です。支出別の口座管理など、ゲーム感覚で楽しみながら進めていきましょう。

    【この記事の著者】

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

    LettePla:https://letteplabiz.com/

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