新年度はあらたな職場で!転職にまつわるお金の話

2020年01月21日・ライフプラン

目次

    将来「東京オリンピックが開催されたとき、あなたは何をしていたの?」と聞かれることの多い1年が始まりました。いい機会なのでリスクを取っていまの環境を変える、特に転職を考えている方も多いでしょう。2020年代はあらたな職場でキャリアを積みたい。そう考える人の、転職にまつわるお金の話です。

    1.4月に転職するとき、どんな手続が必要か

    年明けから情報を集め、実際に転職するのは新年度、4月や5月という人も多いでしょう。旧職場(現在の職場)と連絡が取れないなどの状況でない限り、総務人事部が「離職票」「雇用保険被保険者証」を発行してくれます。新しい職場にはこの2種類の票と年金手帳を持っていけば手続をして貰えます。

    あたらしい職場で健康保険証は作り直して貰えますが、年金手帳やマイナンバーカードは個人に紐づくものなので、新職場に提示しましょう。なお離職票は本来、雇用保険給付金を受け取る際の書類なので、すぐに次の職場に移る人には不要です。ただ実際の現場では、「離職をした証明」として提出が義務づけられているところも多いので、退職時に受け取っておきましょう。一方、雇用保険被保険者証は、アルバイトや派遣の場合も対象ですので、同様に受け取りましょう(派遣元が所有している場合も多いです)。

    気になるのはそれまでに納付した所得税がどのような扱いになるのか。退職時に旧職場から「源泉徴収票」を受け取りますが、これを新職場にそのまま提出するだけで完了です。新しい会社では転職する社員の所得税を年末に調整して納付する(年末調整)のため、前の職場で所得税をどれだけ支払っていたかをこの書類で判断します。所得税の切り替えである12月31日退職、1月1日就職「以外はすべて」、この書類を新職場に提出するようにしましょう。

    旧職場以外に給与を受け取っている場合や、転職の期間中にアルバイトをしている場合、副業をしていた場合などは新職場で所得税の計算を完結させることが出来ないので、転職する人が翌年2月に確定申告をする必要があります。確定申告と聞けば自営業だけの手続という印象が強いですが、このように対象になることもあるので注意しましょう。確定申告が必要かどうかは、新職場の総務部などに聞けば教えてくれるでしょう。

    確定申告の手続自体は煩雑で毎年ルールが変わるなど面倒な面もありますが、最近はfreeeなどインターネットを使って数時間で終わるサービスが出ています。申告は税理士に頼むもの!と考えている人も多いですが、筆者の個人的見解としては転職に関連する確定申告で個人に依頼する必要はありません。上記のインターネットサービスはとても使いやすく出来ているため、あまり敷居を高めず取り組んでみましょう。

    そんな確定申告ですが、転職時には気分一新あたらしいスーツやビジネスシューズを買うなど、さまざまな経費がかかるもの。これらは自営業だと当然経費扱いになりますが、会社員の人も対象になることはご存じでしょうか。それが特定支出控除です。

    2.転職の年だからこそ知りたい、特定支出控除とは?

    上記のように確定申告は「必要ない」人でも、敢えて申告することが出来ます。住宅ローン利用1年目やふるさと納税の利用者は確定申告が必要なので、一緒に給料の所得税手続きを完了する人も多いようです。そのときに、特定支出控除という制度があります。

    本来、会社員は給与所得に対して経費を計算し、所得税の計算時に差し引くのが(所得税の)原則です。ただ会社員ひとりひとりにどんな経費がかかったのか会社が計算するのはとても煩雑ですし、各自に確定申告を義務化するのも避けたい。そこで、「このくらいの給料ならば経費はこれくらいだろう」と概算で計算したものが、給与所得控除です。

    この控除にプラスして、実際に必要になった「実費」を給与所得控除と同じ扱いにするのが特定支出控除です。具体的には仕事に使ったスーツやシューズ、パソコン、バックなど。仕事に関連する新聞や書籍の購入費や資格の取得費、交際費も対象となります。

    転職時は衣服や新しい職場に対応する支出が重なり、家計としても苦しいもの。ぜひ、この特定支出控除を活用したいところです。ただ、実際はこの控除制度を利用している会社員は「10万人に3人」ともいわれています。なぜでしょうか。

    それは、特定支出控除に以下の2つの条件があるからです。

    (1)必要経費に対して会社の承認が必要(客観的に見て職務利用とできるのか)

    (2)会社員は給与所得控除の対象でもあるため、特定支出控除として認められるのは給与所得控除の2分の1を上回った部分のみ。多くの部分が足切りになる

    (2)は制度上仕方がないものといえるでしょう(すべてを認めると給与所得控除の対象にならない自営業が著しく不利になる)。(1)に関しては被雇用者の権利なので遠慮する必要はないのですが、なかなか現実は難しいところかもしれません。会社の経営層(若しくは経理部など担当部署)と距離の近い人だけが活用しているという現実があるようです。今後、個人の資産管理ニーズが高まってくるなかで、各社が対応するか、会社承認が見直されるルールに変わっていくのではないでしょうか。

    3.話題の「退職代行」ってどれくらいお金がかかるのか

    もうひとつタイムリーなお金の話題が、会社に退職意志を伝えるときに利用者が増えている「退職代行」です。旧職場に対し退職の意思表明はセンシティブで、感情論になりがちなもの。そこで、交渉のスペシャリストである弁護士に代行を依頼しようというものです。

    相場を調べてみたところ、1件につき20,000円から50,000円ほど。個人的には旧職場のネットワークを活用できる!という場面があるため、あまりお勧めはできませんが、あたらしい職場に集中したいという人にとってはひとつの方法だと思います。

    さまざまな会社がありますが、必ず弁護士が手続をしている会社にすること。弁護士以外が代理人として交渉を行うと弁護士法違反になりますが、一気に盛り上がった領域だけに、なかには弁護士が関わっていない会社もあるようです。また、「弁護士からの助言体制を整えています(顧問契約をしています)」という会社はいっけん安全なようですが、実際に会社と進めているやり取りは弁護士しか許されていないものもあり、グレーといえるでしょう。

    これらは会社の問題ですが、利用者からは依頼していて途中でストップがかかり、自分自身で交渉を引き継がざるを得なくなったという可能性もあります。リスクヘッジのためにも、弁護士自身が行っている退職代行会社を利用するようにしましょう。

    新年度はあらたな職場で。転職まわりのお金の問題を今一度チェックし、新たなキャリアの第一歩をスタートさせていきましょう。

     

    【この記事の著者】

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

    LettePla:https://letteplabiz.com/

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