キャッシュレスは子どものお金教育にも役立つというのは本当か

2020年03月19日・ライフプラン
キャッシュレスは子どものお金教育にも役立つというのは本当か

むかしある作家が作品上で、「いまの日本で教えていないもののひとつがお金の稼ぎ方」と言ったことがありました。確かに日本で美徳とされていたのは毎月しっかりと給料を貰い、1円でも多く貯金をして、退職金を貰って老後を豊かに暮らすというライフプランです。お金の稼ぎ方、今ならば現金かキャッシュレスかという、お金の「選び方」でしょうか。

1.お金の最初の勉強にキャッシュレスを!

キャッシュレスは子どものお金教育にも役立つというのは本当か

2019年はキャッシュレス元年といわれ、12月には流行語にも選ばれました。スマートフォンのアプリを実質の財布として買い物をする、画期的なサービスだと思います。2020年もこの流れは続くのではないかと思われます。全世界を襲ったコロナショックにより、キャッシュレス会社の隆盛は一服するも、ここまでの盛り上がりで生活に落とし込む「習慣化」がされていくでしょう。

キャッシュレスの代表格とされるこの〇〇Pay、実は子どもに対するお金の勉強にはとても向いています。定期的にお小遣いとして定額を渡し、残高を確認するようにします。そうすれば子どもが何に使ったかを確認すると同時に、どのくらいお金の残したかをともに勉強することができます。

代表的な「LINEPay」で見てみましょう。LINEPayを起動するとまず、現段階の残高を確認できます。買い物の利益は決済利益で、友人への送金などの履歴は残高履歴で確認することができます。いまや小学生がスマートフォンを持っている時代です。定期的に現金を渡してお小遣い帳を共有するよりも、時代に即していてかつ効率的。子どもにとってはキャッシュレスを使うことを信頼されているという気持ちも生まれるでしょう。この時の子どもとの関係で、気を付けたいことは、子どもに裁量権を与えるということです。

2.現金とキャッシュレス、子どもの「お金教育」に与える影響の違い

キャッシュレスは子どものお金教育にも役立つというのは本当か

小遣いという親から渡したお金でも、子どもにとっては大切な日常の原資です。言ってしまえばそれをどう使うかは自由であるし、その使い方を学ぶことこそが、最も大切なお金の教育といえます。そのため、渡したお金の裁量権はすべて子どもに渡すこと。可能な限り口を挟まないこと。決済履歴や残高履歴の確認も、子どもが寝ているときに見るのももってのほか。あくまで子どもの許可を得てスマートフォンを見るようにしましょう。これは子どもの自立心を育てるうえでもとても大切なことです。

口を挟まない、と簡単に書きましたが、親としてはとても難しいのではないでしょうか。子どもとの共有も口頭だけではなく、メールでのやり取りなども効果的です。また交換日記のように感じたことを書いてもらうと、お金を扱ってどう思ったかの思考力のトレーニングにも繋がります。

キャッシュレス(〇〇Payだけでなく、クレジットカードも含みます)では何よりも、お金を使ったタイミングと「支払う」タイミングが異なる場合が多いです。クレジットカードの利用時の引落し時のタイムラグが代表的です。この時間差と財布の中身の違いを学ばないと、大人になってお金の管理に困る悪習慣がつきます。極論すると、クレジットカード破産を招いてしまうことも。この対策には何よりも小さい規模で、クレジットカードなどキャッシュレスの環境に慣れされていくことです。親が使っているのを見せて、耳学で学ばせようとするのはあまり効果がないでしょう。お小遣いを渡し、「いま2000円持っているけれど、現金ではなくてクレジットカードで持っている。これをクレジットカードで支払った場合は、引落日まで2000円を持っておかなければならない。それが出来るかい?」といった具合です。この上級編として、次回のお小遣いで更に2000円が入ってくるから、それで支払うことが出来るかという、継続収入と支出の管理を子どもに伝えることができます。そしてそのあとは、子どもと一緒にライフプランをつくる環境整備に発展します。つまりキャッシュレスの利用は、親子間で考えるライフプランの「土台」となります。

3.子どもと一緒にライフプランをつくる

キャッシュレスは子どものお金教育にも役立つというのは本当か

キャッシュレスを続けてお金を使うということを子どもが理解したら、その流れに乗って、親子でライフプランを作る訓練を始めてみましょう。お金の教育には、ライフプランの共同作成がとても効果的です。もちろん、発生するライフイベントを当てはめてプラスマイナスを出すような本格的なライフプランは必要ありません。お小遣いとして入ってくるお金と、そのお金で買えるものを算出し、実際に購入するとお金が減っていくこと。減っていくとどうするか考える習慣、そして減ったときに黙っては増えないことを、ライフプランの作成を通して学んでいきます。

①支出項目の管理

これ欲しいな!という気持ちがある一方、いま所有しているお小遣いの残額で購入することができるのか。当然それを購入すると、次に欲しい第二候補は購入できなくなることになりますが、それでいいのか、支出の整理をしてみましょう。(もちろん泣いてわがままをいうと買ってあげるようではライフプランの意味を持ちませんので、そこは厳しく)。

②お金が減っていくとどうなるか

FPとして話を聞いていると、大学生や社会人になった時のはじめての独り暮らしは、たいへん苦労をするもの。給料日(仕送り)前の最後の一週間を2,000円で過ごしたという武勇伝は、後日振り返ると楽しいものの、親としては事前に避けて欲しいものですね。そこで幼いときの勉強の一環として、お金が減っていくとどうなるかを学びましょう。もちろん実際に食糧費は無くなるわけではなく、お金が無くなっていくことに不安感を覚えることでしょう。この不安感が大切です。

クレジットカードで支払時期を遅くすることも、金利の高い消費者ローンから借りることも、もともとは不安感から来ることが多いのではないでしょうか。その不安感と「きちんと付き合う」ことは、子どものうちに覚えておきたいものです。

③減ったお金は増えない

お金を使ったことで当然ながらお金は減ります。減ったときに、クレジットカードや高金利のローンに簡単に手を出さないようにするためには、「減ったときに増える方法は基本的にない」ということを覚えることが大切。この考え方がなければ、今はないだけだけど支払日までに返せればいいやとなり、泥沼にハマっていくことになります。

【この記事の著者】

株式会社FP-MYS 工藤 崇

株式会社FP-MYS 工藤 崇

FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

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