親子で取り組む!お金の勉強について

2019年12月10日・ライフプラン

むかしある作家が作品上で、「いまの日本で教えていないもののひとつがお金の稼ぎ方」と言ったことがありました。確かに日本で美徳とされていたのは毎月しっかりと給料を貰い、1円でも多く貯金をして、退職金を貰って老後を豊かに暮らすというライフプランです。

1.「不労所得」から「投資すべき」へ。子どもへの教育も変わるべきか

その価値観を示す代表的な言葉が「不労所得」という日本語です。労せず得る収入という意味は決してポジティブなものではなく、正攻法以外で得たという意味も持ちます。ところが昨今、終身雇用の崩壊や年金不安により、自分の老後資金は自分でという、「貯金から投資へ」という価値観に変わりつつあります。

金融広報委員会の調査によれば、子どものお小遣いの平均月額は小学生1,000円、中学生2,500円、高校生6,300円です。お弁当の有無や自由時間(子どもに自由時間が多いとお小遣いは高くなる傾向があります)によって変わってくるのでしょう。この場合のお小遣いは純粋に自由に使えるお金で、サラリーマンのお父さんのように「昼食代を兼ねたお金」ではないことが多いのではないでしょうか。

ソフトバンクを興した孫正義さんには、有名なエピソードがあります。幼少の頃、父親から100万円を受け取り、「これを元手に運用して小遣いをつくれ」といわれたそうです。まさに英才教育。みなさんの子どもに明日これをやるのは刺激が強すぎますが、子どもに投資とは何なのか、これから伸びる産業は何なのかを考えさせるのは、教科書の内容より大切なものかもしれません。

社会人になるとNISAやiDeCoが推奨されますが、何に投資するかを決めるのは当人自身です。学校の教育では忌避してきた投資先を磨く目を小遣いを通して教えることは、将来に必要な知識をつける大事なプロセスともいえます。

2.お金の最初の勉強にキャッシュレスを!

2019年はキャッシュレス元年といわれ、12月には流行語にも選ばれました。スマートフォンのアプリを実質の財布として買い物をする、画期的なサービスだと思います。

この〇〇Pay、実は子どもに対するお金の勉強にはとても向いています。定期的にお小遣いとして定額を渡し、残高を確認するようにします。そうすれば子どもが何に使ったかを確認すると同時に、どのくらいお金の残したかをともに勉強することができます。

代表的な「LINEPay」で見てみましょう。LINEPayを起動するとまず、現段階の残高を確認できます。買い物の利益は決済利益で、友人への送金などの履歴は残高履歴で確認することができます。いまや小学生がスマートフォンを持っている時代です。定期的に現金を渡してお小遣い帳を共有するよりも、時代に即していてかつ効率的。子どもにとってはキャッシュレスを使うことを信頼されているという気持ちも生まれるでしょう。この時の子どもとの関係で、気を付けたいことは、子どもに裁量権を与えるということです。

小遣いという親から渡したお金でも、子どもにとっては大切な日常の原資です。言ってしまえばそれをどう使うかは自由であるし、その使い方を学ぶことこそが、最も大切なお金の教育といえます。そのため、渡したお金の裁量権はすべて子どもに渡すこと。可能な限り口を挟まないこと。決済履歴や残高履歴の確認も、子どもが寝ているときに見るのももってのほか。あくまで子どもの許可を得てスマートフォンを見るようにしましょう。これは子どもの自立心を育てるうえでもとても大切なことです。

口を挟まない、と簡単に書きましたが、親としてはとても難しいのではないでしょうか。子どもとの共有も口頭だけではなく、メールでのやり取りなども効果的です。また交換日記のように感じたことを書いてもらうと、お金を扱ってどう思ったかの思考力のトレーニングにも繋がります。

3.子どもと一緒にライフプランをつくる

キャッシュレスを続けてお金を使うということを子どもが理解したら、その流れに乗って、親子でライフプランを作る訓練を始めてみましょう。お金の教育には、ライフプランの共同作成がとても効果的です。もちろん、発生するライフイベントを当てはめてプラスマイナスを出すような本格的なライフプランは必要ありません。お小遣いとして入ってくるお金と、そのお金で買えるものを算出し、実際に購入するとお金が減っていくこと。減っていくとどうするか考える習慣、そして減ったときに黙っては増えないことを、ライフプランの作成を通して学んでいきます。

①支出項目の管理

これ欲しいな!という気持ちがある一方、いま所有しているお小遣いの残額で購入することができるのか。当然それを購入すると、次に欲しい第二候補は購入できなくなることになりますが、それでいいのか、支出の整理をしてみましょう。(もちろん泣いてわがままをいうと買ってあげるようではライフプランの意味を持ちませんので、そこは厳しく)。

②お金が減っていくとどうなるか

FPとして話を聞いていると、大学生や社会人になった時のはじめての独り暮らしは、たいへん苦労をするもの。給料日(仕送り)前の最後の一週間を2,000円で過ごしたという武勇伝は、後日振り返ると楽しいものの、親としては事前に避けて欲しいものですね。そこで幼いときの勉強の一環として、お金が減っていくとどうなるかを学びましょう。もちろん実際に食糧費は無くなるわけではなく、お金が無くなっていくことに不安感を覚えることでしょう。この不安感が大切です。

クレジットカードで支払時期を遅くすることも、金利の高い消費者ローンから借りることも、もともとは不安感から来ることが多いのではないでしょうか。その不安感と「きちんと付き合う」ことは、子どものうちに覚えておきたいものです。

③減ったお金は増えない

お金を使ったことで当然ながらお金は減ります。減ったときに、クレジットカードや高金利のローンに簡単に手を出さないようにするためには、「減ったときに増える方法は基本的にない」ということを覚えることが大切。この考え方がなければ、今はないだけだけど支払日までに返せればいいやとなり、泥沼にハマっていくことになります。

4.まとめ

子どものお金の教育についてお伝えしました。投資が推奨されるようになり、またキャッシュレス社会の到来。親世代は学ぶ機会のなかったお金のついての勉強の必要性が増しています。これをおざなりにすると将来、最悪の場合は親の元を巣立ってからクレジットカードの間違った使い方で火傷をしてしまうことも。親子でお金について学ぶことは「予防学」でもあると捉え、一歩ずつ進んでいきましょう。

【この記事の著者】

株式会社FP-MYS 工藤 崇

株式会社FP-MYS 工藤 崇

FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

LettePla:http://letteplabiz.com/index.html

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

< PR >

人気のマガジン

新着マガジン

個人資産管理の決定版アプリ、
堂々登場!!

Fortune Pocket お金に向き合えば、人生は変わる。Fortune Pocket 家計とライフプランを考えるアプリ
Apple Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう

Android版アプリは旧デザインでのご提供となります。
年内に新デザインにてリリース予定。

トップへ