衣食住の「上限」の決め方とは?家計の各種費用はどのように決めるか

2019年12月05日・ライフプラン

まもなく2020年です。進学や就職など、様々な要因で独り暮らしをしたり、恋人やルームメイトと暮らし始めたりする「環境の変化」が控えている人も多いのではないでしょうか。新しく家計を管理する立場になると「一国一城の主」です。城主になると兵糧の管理。。ではなく家計の管理が求められます。何にどれくらいお金を使うか。この時に大切なのは、衣食住の「上限」を決めることです。

1.月次収入から見る「いくらの物件にまで住んでいいのか」

「家賃は給料の3割が目安」という話を聞いたことがあるでしょうか。インターネットで「家計の目安」と入力すると各所で取り上げられている、数十年も前から言われている目安です。この給料が額面か手取りなのかにもよりますが、仮に月収20万円とすれば7万円弱。なかなか大きな負担になるのではないでしょうか。実際の賃貸相場として、これは「昔の話」という認識です。数十年前、20代前半に低い初任給も、毎年少しずつ金額が上昇し、10年15年後には数万円上がっていた、という時代もありました。つまり、「ちょっと背伸びをしての3割」が現実的に可能だったといえます。

ところ変わって最近は右肩上がりとはならない給料体型のところも多くなりました。この場合、給料の上昇を見込んで家賃を決めるのはとても危険です。2割から2.5割くらいでしょうか。このときの給料は、毎月ある程度フラットに均等している人であればいいのですが、成果給などで高い月と低い月がある変動性の場合は1年(12カ月程度)の平均値とすることが大切です。またボーナスを貯蓄に含めるかどうかも大切な論点。家計管理としては含めた方がいいですが、あまり義務感先行になるのも考えもの。月次の家計管理に慣れることを優先していきましょう。

2.家賃の負担感を見るポイントはランニングコスト以外?

家賃は毎月かかるランニングコストも大事ですが、入居時にかかって来るイニシャルコスト、そして更新料の負担感も把握していかなければなりません。

イニシャルコストとは家賃負担のスタート時、つまり引っ越し時に必要となる負担です。不動産仲介会社の多くは、入居時に2か月分の家賃を求めるところも多いです。月の途中を入居開始日とした場合は、1カ月目は日割りとして計算されます。「家賃10万円だから毎月の給料で支払っていける」と思っていても、最初の家賃から20万円を請求され貯金がないと焦ってしまうことも。

加えて「この金額設定は正しいのか」と裁判などで注目されつつも、未だ入居時の大きな負担となる敷金と礼金。両者でどれくらいの負担になるかによって、前項の可能な家賃負担も変わってきます。物件決定において不動産会社を介した場合は仲介手数料も必須。忘れた頃に地震が頻発する今日は火災保険料と、特約として付加される地震保険料も負担に加わります。また最初の入居者ではない場合は玄関や宅配ボックスの鍵の交換料、エアコンの設置代もあります(一般的にリビングはオーナー負担で設置されているものの、各寝室はオプション扱いが多い)。更に2年程度でかかる更新料も大きな負担です。5年10年のスパンで見ると敷金や更新料の環境は変わっていきそうですが、現在のところの概算でこれらイニシャルコストの総額は、月額家賃の5-6カ月分とされています。

3.「年収いくら」だから衣食住にはこれだけ投下できる?

ここまでお伝えしてきたように、「住」はランニングコスト・イニシャルコストがあるとはいえ、ある程度費用感が決まっています。一方で「衣」と「食」は人によって異なり、その計算は漠然として難しいものです。食にはエンゲル係数といって、月次収入のうちどれだけを食費が占めているかという目安があります。世代や家族構成にもよりますが、エンゲル係数の平均値は約20%ー25%ほど。先ほどの住と同じように月額給料を20万円とすると40,000円です。お酒好きや外食の多い人から見ると、「えっ、それだけ?」という金額ではないでしょうか。住と食で10万円、既に半分に達してしまいました。

残る「衣」に関しては住・食以上に個人差が開く部分だと思います。しっかりとお金をかける人もいれば「着られればいいや」という人もいます。男性で言うところのビジネススーツのように、仕事面ではしっかりお金をかけるけれど、私生活はフランクに、というタイプも多いです。また最近は流行のサブスクリプションサービスはこの衣の分野で特に盛り上がっており、衣服や靴などを定期的に交換し、費用を抑えるというビジネスが盛り上がっています。

4.衣食住の結果いくら貯められるではなく、いくら貯めるから衣食住をどうするか!

当然ながら家計に必要なのは、衣食住だけではありません。家計簿アプリなどを使って家計(特に月次の支出内訳)が顕在化できているならいいのですが、そうではない場合は給料ー衣食住が何の費用なのか、どれくらい貯蓄をしていいのかが分からず、結果「なんとなく使って、なんとなく余った金額を貯金に」としてしまいがち。加えて次の月になんとなく出費が多くて、前の月の折角の貯金を下してしまうということも。これではライフプランの計画性も何もありません。

そこで、予めいくら貯蓄するかを決め、そこから衣食住にいくら使うかという計算をしていきましょう。繰り返しになりますが住はそれほど変動しないため、衣食と、それ以外の費用を貯蓄後の手取りから計算していきます。この方法は言うは易し、行うは。。。なので、まずは月1万円、2万円ぐらいの少額から始めていきましょう。最初は貯める金額よりも、「習慣づける」ことが大切です。そのうちに貯めなきゃという義務感から、今月はいくら貯めたかの達成感に変わっていけばまずは達成です。

その後、何か月継続出来るかという次の段階に移っていきます。更に上級者になると、主に食費などで自炊の材料などを活用し、レベルは落とさないけれど価格を下げるという荒技?に挑戦するのも楽しみのひとつです。大切なのは、義務ではなく楽しむこと。そして達成したときには貯蓄からちょっとしたご褒美を出すなど、達成した自分を褒めること。そうして家計管理の醍醐味を身につけていけるようなライフプランを始めてはいかがでしょうか。

まもなく新しい1年がやってきます。2020年は久しぶりの日本開催のオリンピックイヤー。新しいテレビを買いたい、運動不足だからランニングを始めるのにシューズを買いたいなどの購買行動が盛んになるのでは、と予測されています。そのときに先立つものがあるように、新しい習慣をスタートするのにぴったりなお正月。楽しい家計管理を始めてみましょう。

【この記事の著者】

株式会社FP-MYS 工藤 崇

株式会社FP-MYS 工藤 崇

FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

LettePla:http://letteplabiz.com/index.html

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