お金を預けていると預金額が減る?口座維持手数料の最新状況について

2021年04月01日・金融
お金を預けていると預金額が減る?口座維持手数料の最新状況について

目次

    銀行に全財産100万円を預けて、1年間引落しを我慢していると5万円がボーナスになる。そんな旨味は過去の話、近年はこの年利が1%を切る利率の預貯金も目立っています。お金を殖やすために貯蓄をするのではなく、財布にあると使ってしまうのでお金は預けるもの。そのように預貯金の考え方は変わってきました。

    ところが今後、その考え方も変わり、「口座に預けていると預金が減るけれど、財布のなかやタンス預金だと使ってしまうので金融機関に預ける」という考え方に変わっていくかもしれません。その端緒となる可能性が高いのが「口座維持手数料」です。
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    1.口座維持手数料とは?

    お金を預けていると預金額が減る?口座維持手数料の最新状況について

    口座維持手数料とは、預金を預けている預金者から金融機関が受け取る手数料のこと。当然、預金者の負担になる手数料を金融機関は「儲けるため」に徴収すると預金者は離れてしまう悪手となります。それでも金融機関が手数料導入を進めるには、もちろん理由があります。

    口座維持手数料という考え方が生まれた理由は、金融機関にとってこれまで目を瞑ってこられた口座運営のコストです。ひとりの預金者が複数の口座を持つようになった風潮の変化やインターネットバンキングの利用者増加、金融機関に預けた預金を元手とした生命保険や信託などの運用増加が背景と考えられています。インターネットバンキングは各行とも別途手数料を貰い受けていますが、運用コストは年々増加していて、「インターネットバンキング名義の手数料のみ」ではコスト管理が合わないことも背景のひとつと考えられます。

    そのなかで最も負担になっているのが「マネーロンダリング対策」です。マネーロンダリングと聞くと仰々しい言葉ですが、要は本人確認手続き(通称KYC)のこと。ネットバンキングが一般化すると、この必要性も一気に増加しました。街中の店舗で行われていたやり取りでは一昔前では運転免許証を出して完了した本人確認も、複雑な犯罪が増えてきて同じく対策コストが急上昇しています。特に口座を運用して入出金の指示を出している人が本人なのか、反社会的勢力ではないのかなど、金融機関側の負担は著しく大きなものとなっています。管理している口座に預金があり、更なる運用に回せるといいのですが、休眠状態だとそうはいきません。そこで生まれてきた動きが、口座維持手数料などの「口座管理の有料化」です。

    2.なぜ金融機関は口座維持手数料を「取るようになった」のか

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    とはいえ、これまで金融機関は手数料を取っていませんでした。これは数年前と比べ、前項のマネーロンダリング対策をはじめとした業務が増加していることを意味します。

    口座維持手数料は今後一般化していくと予測されていますが、既に導入している金融機関もあります。りそな銀行では2004年4月1日以降の新規開設口座を対象に、「一定期間において稼働のない口座」について年間手数料1200円+消費税を徴収することを発表しました。稼働のない口座は預金者が口座の存在を忘れているケースも多く、万が一口座残高が手数料額を下回っている場合は残高を手数料として引落しをしたうえで解約するという、なかなか強制的な手段が執られます。

    国内銀行の代表格である三菱UFJ銀行も2021年7月以降、口座維持手数料の導入を決めました。こちらは7月以降あらたに開設する口座が対象で、2年以上預け入れや引落しがない場合に休眠口座として維持手数料1200円+消費税を徴収します。りそな銀行と徴収金額が同一なのは、両銀行とも月あたり100円として計算していると見られます。本来これくらいの維持費は数回の預け入れ・引落しによる金額の運用でカバーできるものの、前項のマネーロンダリング対策などの複雑化によって、止むを得ず導入判断になったと考えられます。なお、現状三菱UFJ銀行では定期預金・外貨預金・投資信託等の「他の予算」が1円以上ある預金者は対象外となっています。

    みずほ銀行の取組は傾向の異なるものです。同行では2020年より、新規口座作成時に紙通帳の作成希望を受けた場合、1冊1100円の手数料を徴収すると発表しました。これは休眠口座ではありませんが、これまで無料が前提だった口座作成を有料化するという意味では、口座維持手数料の徴収と同じ傾向のものと考えられます。この動きは今後、他のメガバンクに限らず、この動きは全国に波及していくのではないでしょうか。

    3.口座維持手数料に対してどのように考えるべきか

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    それでは口座維持手数料をはじめ「銀行口座を持つこと」が有料化される流れに対して、我々預金者はどのように考えるべきでしょうか。

    ①本来サービスを受けるのは「有料」が前提

    繰り返しになりますが、銀行口座を巡るコストは年々増加しています。一方で銀行が受ける収益の代表格としての貸出利率は低金利が続いており、口座維持手数料は仕方のない方法と考えましょう。世の中の様々なサービスも、有料アプリも手数料が必要です。ただ、自分自身が把握をしていない、日常生活から離れている口座に関しては、預金者側からもコスト管理が必要です。

    ②所有している銀行口座(本人だけではなく家族も)を洗いだそう

    以前銀行口座を作成したけれど、通帳もどこにいったか分らず、暗証番号も覚えていない。口座維持手数料により、遅かれ早かれこのような口座にかかるコストは増えていきます。まずはこれら休眠口座がないかを確認し、時間の余裕があるときに解約手続きに向かうようにしましょう。もちろん預金用や資産活用の用途など、「具体的な使い勝手を見つける」のもひとつの方法です。何かしら動きのある銀行口座に対しては、今後しばらくも手数料が課されないものと考えられます。

    この時に大事なのは本人だけではなく、家族の所有口座も管理すること。特に高齢化した両親は、以前に自身で作成した口座の存在を忘れている場合も多く、なかには預金が残されている場合も。このような口座は相続時にトラブルの温床にもなりますので、口座維持手数料を「口座をこれからどうするか」を決めるきっかけにしていきましょう。反対に、まだ成年を迎えていない子どもが既に銀行口座をつくることも。その子どもが成長・独立した際に、「あ、あの子の口座そのままだった」というケースもよくあります。

    このように、口座維持手数料のように、これまで無料だったものがコスト見直しによって有料化されていく流れは、今後も増えていくものと考えられます。年1200円は「たかが1000円ちょっと」ですが、解約など少々の手続きで不必要になるコストと考えるとなかなか見逃せないもの。自分自身・家族が開設している金融機関の最新情報を知り、対策を打っていきましょう。

    【この記事の著者】

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

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