「家を買うあなた」がまず読むべきお金のこと

2019年11月10日・住宅

目次

    家計のなかで「高い買い物」は何でしょうか。以前は自動車、今は積み重なったスマートフォンの購入費の毎月の利用料といわれています。そのなかで今も昔も不変の1位は住宅購入費です。賃貸住宅に家賃を支払う生活から、住宅ローンを活用して30年以上を返済に充てることは、ライフプランの観点から見ても大きな意味を持ちます。住宅を購入するうえでのお金の工夫を考えてみましょう。

    1.住宅購入のイニシャルコストを減らす方法

    住宅購入においては大別して、イニシャルコストとランニングコストがあります。住宅購入に係るお金をまず、この2つに分けて認識することが大切です。

    ①イニシャルコストの削減

    住宅購入におけるイニシャルコストとは、「住み始める」までに必要な費用のこと。物件購入費用や登記・税金面、不動産会社への仲介費用、引っ越し費用などです。

    時期によって物件価格は変わるのか

    たとえば2019年に購入を考えた物件を、(購入者が見つからなかったとして)、2年後に同じ物件を購入するときの価格は変わるのでしょうか。建築価格は変わらないため、基本的には変わりません。ただ、物件価格が変わる要素があります。

    それは土地の価格です。日本では毎年3月に最新の土地価格が発表されます(公示価格:その年の1月1日時点の価格)。この数値とは別に実勢価格というものがあり、実際の不動産価格の参考になります。この実勢価格には、該当物件の近くの売買実績なども参考とされるため、新興住宅街など取引が頻繁に行われる街は、2年前後のスパンで物件価格が変わる可能性もあります。

    不動産業者の仲介手数料

    既存の建物を購入するときに、不動産業者に支払う仲介手数料。400万円以上の物件には、「売買金額×3%+6万円×消費税」が上限額です。売買価格が3000万円とすると、税込105万6千円を不動産業者に支払います。この金額は上限額のため、事業戦略の一環として値下げをする業者がいてもいいのですが、これまで不動産業界は不文律として上限額を設定していました。最近はインターネットの活用などで事業コストが削減できたこともあり、値下げをする業者も増えてきているようです。値下げしているからといって購入に関する対応品質が下がるということはありませんので、上手に活用していきましょう。

    すまい給付金

    すまい給付金は、消費税引き上げによる住宅購入者の負担を軽減する施策です。2021年(令和3年)12月まで実施中で、収入目安775万円以下の方に最大50万円を現金で付与するものです。後述する住宅ローン減税は所得税の減税措置のため、所得(税)の高い方が減税効果の高い効果があります。すまい給付金は住宅ローンの効果が比較的低い方に対して、補完的な性格を持つものといえます。

    すまい給付金は、2,000万円以内の所得上限や、50㎡以上240㎡以下など、いくつかの条件が設定されているため、活用には注意しましょう。

    贈与税の非課税措置について

    住宅購入は自身の預貯金だけでは厳しいもの。父母・祖父母から援助を受けることもあるでしょう。そのときに課税される贈与税は、住宅購入の場合に一定の金額を「非課税」とする特例が定められています。

    ※ 省エネ住宅とは、断熱性や耐震等級など所定の条件が定められています。

    ②ランニングコストの削減

    次にランニングコストの削減です。代表的なものは、住宅ローン控除です。

    住宅ローン控除

    住宅ローン控除は、住宅売買にともなう節税制度の一種です。住宅ローンを購入してマイホームを購入した場合、ローンの一部に相当する金額が所得税や住民税から控除されます。消費税10%の増税とともに2020年(令和2年)12月まで延長されており、年末のローン残高の1%、最大40万円(認定住宅などは最大50万円)の減税が10年間受けられます。

    なお、この3年間延長は2020年12月までに入居した場合が対象のため、今後住宅購入のスケジュールを立てている方は適用期限を認識しておきましょう。また、11年目以降は住宅ローンの1%か、建物購入価格(一般住宅で4000万円、認定住宅で5000万円が上限)の2%を3年で割った額の低い方が適用されます。この11年目ルールはあくまで10%増税の一時的措置で、2021年1月1日以降は元の住宅ローンに戻ると規定されています。その時の景気動向によって更に延長される可能性はありますが、不確定のため現状制度をもとに住宅購入のスケジュールを組み立てていきましょう。

    2.マンションと戸建てで住宅費用は異なるのか

    住宅購入を費用面から見たときに気になるのは、マンションと戸建てでは購入費用が異なるかということです。予算から「どちらかしか購入できないのではないか」という声も聴きます。結論を記すと、両者のイニシャルコストは大きく変わりません。建物の特徴、築年数、周囲の環境、駅からの距離など、物件自体の魅力によって変わります。

    住宅購入のインターネット記事などでは、マンションの方が戸建てより売買価格が安い、としている記事も目立ちます。物件の場所や購入時期で傾向が出ることはありますが、例外も多いため具体的な物件を確認する習慣をつけたいところ。一方のランニングコストは、マンションと戸建てでいくつかの違いがあります。

    ①修繕費(小規模・大規模)

    マンションの場合、修繕のための積立金を支払う義務があります。築年数によっては家計にとって大きな負担になることも。また管理組合への参加も義務化されており、時間が取られるほか、マンションのコミュニティへの参画を義務化されることも(一概にデメリットとはいえませんが)。

    ②駐車場代などの付帯設備費用

    またマンションの場合、駐車場代などの付帯設備に別途賃料が課されることもあります。一方で戸建ては建築面積以外の「余剰部分」が駐車場となるため、余裕を持って車両を止める余裕がないことも。それぞれ長所と短所があります。

    以上、住宅を購入するうえでのお金の工夫点を押さえました。人生で一番高い買い物ながら、その工夫によっては数百万規模のコストを直接的、若しくは節税効果として間接的に抑えることが出来ます。専門家に尋ねるなどをしながら、コストを下げるための工夫をしていきましょう。

    【この記事の著者】

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

    LettePla:https://letteplabiz.com/

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