思わぬタイミングで「退職」となったときの味方、「失業保険」について

2020年06月11日・保険
思わぬタイミングで「退職」となったときの味方、「失業保険」について

目次

    お正月に初詣の場で「今年1年平穏に」と願っても、なかなか想定通りにいかないもの。まもなく1年の半分を折り返すにあたり、仕事を退職・転職することになった人も今年は多いでしょう。次のキャリアを見据えたプラスの転職ならばともかく、留意したいのは会社都合など思わぬ退職の場合。その際の強い味方になるのが、「失業保険」です。資産管理も、保険・年金も、ライフプランも、これひとつ!個人資産管理アプリ Fortune Pocket 登録は無料!

    1.辞め方によって異なる受給期間

    思わぬタイミングで「退職」となったときの味方、「失業保険」について

    会社を辞めると、毎月定期的に入ってきた収入(給料)が不安定になり、家計に大きな悪影響をもたらします。食費や家賃など支出に対しては貯蓄を充てたとしても、何カ月も続くと厳しいもの。そんなとき失業保険が家計の助けになります。

    雇用保険の原資(保険料)は、実は在職中に納めています。額面収入から手取り額になるまでに公的年金などの社会保険料が引かれますが、このときに雇用保険も引かれています。これが原資となり、一定の条件を満たした失業直後の人に対し、生活の補填が行われます。いわば、国による「収入保証保険」というところでしょうか。まず、失業保険は会社の辞め方によって、受給開始時期が異なります。自分の意志で辞めたのか、そうでないかの違いです。

    ①会社都合(自分の意志ではない退職)

    会社都合は倒産や解雇など、自分の意志ではなく会社の意思決定で退職する場合。退職に向けて準備が出来ていないことも多いため、失業保険は1週間ほどの待機期間を経て給付されます。

    <会社都合退職の場合の受給期間>

    会社都合退職の場合の受給期間一覧

    ②自己都合(自分の意志での退職)

    従業員の意志での退職のこと。一般的には「退職届」を書いて提出した場合は、自己都合退職に該当します。自己都合の場合は、1週間の待期期間のあとに「約3カ月の給付制限期間」が設定されます。また下図の通り、会社都合に比べて受給期間が大幅に短くなります。

    <自己都合退職の場合の受給期間>

    自己都合退職の場合の受給期間

    会社を辞めるかどうかの直前では、勤務先が会社都合にすることに躊躇し、しびれを切らして「では、自己都合で構いません」と述べてしまう人がいます。失業保険において自己都合はデメリットが多いうえ、この3カ月の待機期間が何よりもネックです。この期間のあいだ、貯金やアルバイトで過ごさなくてはならなくなります(なお、1週間の待機期間中にアルバイトはできません)。自己都合で退職する場合は、3カ月の待期期間の生活費についての手当てを考えておきましょう。

    2.失業保険はいくら受け取れるのか

    思わぬタイミングで「退職」となったときの味方、「失業保険」について

    家計においては、失業給付を受け取れる期間に合わせて、「いくら受け取れるのか」はとても重要。給付される1日あたりの金額は、「基本手当日額」と呼ばれます。

    まずは下記の計算式で、「賃金日額」を計算します。この給与総額には、残業代や各種手当などを含みますが、ボーナス(賞与)分は含みません。

    失業保険の計算方法

    この賃金日額において50%~80%(60歳から64歳に関しては45%~80%)をかけて、基本手当日額が算出されます。但し、基本手当日額には、年齢ごとに上限額が定められているので、大幅な家計の見直しが必要になる場合があります。

    年齢別基本手当日額

    3.失業保険給付を受けるまでの手順

    思わぬタイミングで「退職」となったときの味方、「失業保険」について

    ここからは会社を退職してから、給付を受けるまでの流れを確認しましょう。この部分は、会社都合も自己都合も共通したものです。失業保険受給の手順は以下の表のとおりです。

    失業保険受給の受け取り手順

    4.失業保険の「相談先」を知ることでもしもに対する準備が出来る

    思わぬタイミングで「退職」となったときの味方、「失業保険」について

    失業保険のさまざまな制度設計を確認しました。会社員であれば在職中に雇用保険は(天引きで)納付しているので、いざとなれば一定期間の給付は貰えそう、という人は多いでしょう。ただ制度は複雑なので、その「いざというとき」にどう動けばいいのか把握しておくことも大切です。

    ①まずはハローワークor社労士に相談を

    まずは退職が決まった段階で、相談をすることです。ハローワークにて事前相談をすることが理想ですが、離職票を持っていない段階(最終出社日がまだ先)の場合などに行政機関は仮の話をすることが出来ず、「退職したら手続のためにまた来てください」という応対を受けることもあります。それは仕方がないのですが、退職という最高度の不安のなかで、なかなか心理的にも厳しいもの。

    そこで、「社会保険労務士(社労士)」への相談をお勧めします。ブラック企業や労働問題が増えるなかで、インターネットなどによる気軽な相談を受け付け、ホームページも充実した社労士も増えています。退職日を迎えてハローワークにいくつもりだけれど、現時点でどうしたらいいのか、どのように(退職する)会社に対応したらいいのか、経験豊富な専門家に任せましょう。

    ②「特定社労士」に相談できればベター

    社労士のなかでも、別途試験を受け、「特定社労士」を名乗っている専門家がいます。失業関連の場合は、この資格者に相談できるとベターです。

    特定社労士とは、個別労働紛争において、裁判外紛争手続(ADR)のあっせんが出来る社労士のこと。失業保険に限らず、関連するノウハウを蓄積している専門家(事務所)であることが多いです。

    自分のなかで「どうしたらいいのか」と悩むことなく、自分の給付条件がどうなのか、どう動けばいいのかを「早期に」知ることが、失業時におけるせめてもの安心感に繋がります。自己都合・会社都合問わず、退職を「準備万端で迎えることになった」人はいないはず。思わぬタイミングで訪れる緊急事態だからこそ、可能な範囲で事前に制度を知っておきましょう。

    【この記事の著者】

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

    LettePla:http://letteplabiz.com/index.html

    当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

    < PR >

    人気のマガジン

    新着マガジン

    < PR >

    個人資産管理の決定版アプリ、
    堂々登場!!

    Fortune Pocket お金に向き合えば、人生は変わる。Fortune Pocket 家計とライフプランを考えるアプリ
    Apple Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう

    Android版アプリは旧デザインでのご提供となります。
    年内に新デザインにてリリース予定。

    トップへ