災害後はお金がかかる?もしもの時に知っておくべき災害とお金の大切なこと

2019年11月12日・保険

そろそろ年末年始に振り返る時期になりましたが、思い返すと2019年は災害の多い年でした。

ここ数年毎年各所で、未曽有の災害が発生しています。これら地震や台風によって「まさか」の事態が起きる昨今。予防しようにも、これまで経験したことのない規模の災害にどう向き合えばいいのか。まさにこれから、あらゆる人が考えなければいけない課題です。

そして、災害に対する「お金」はどのように考えればいいのか。災害に対するお金と、復興に対するお金の両面から考えてみましょう。

1.災害による「非日常」とお金

先日の超大型台風では「ATMが動かなくなる」と、事前に現金を引き出し、自宅に保管する人が目立ちました。確かに停電をするとATMは稼働しなくなるため、現金をおろすには混雑している銀行の窓口に向かうことになります。昨年、北海道を襲った大規模停電(ブラックアウト)の折には、ここ数年一気に浸透しているキャッシュレスの支払が機能せず、現金の存在感に改めて気付かされたものです。

その一方で、河川の決壊や火災で自宅に保管している現金が損害を受ける可能性もあります。多少水で濡れたくらいであれば銀行や郵便局で交換して貰えるようですが、大きな地震などで町全体が混乱している最中では時間もかかることでしょう。

まず災害に対しては、すぐに持ち出せる現金を用意しておくことが一般的になってきました。避難食や水分と一緒に、最低限の現金をリュックやショルダーバックに保管しておくことです。もちろん自宅で被災するとは限らないので、可能であれば同様のものを職場にも準備しておくこと。共働きの場合はそれぞれの職場と、準備はなかなか面倒なものです。ただ、「どこで被災するかわからない」のが現代の災害の特徴。予告なく非日常に切り替わったときに、その準備が最低限の生活が維持できるかを分けることに繋がります。

地震が起こったとき、大型の台風の上陸が確実視されるとき、現金を持ってコンビニへ向かい、水や食料を確保する動きは、ここ数年著しく増大しているように思います。もうひとつ大切なのは、災害が発生したあと、どのようにして普段の生活を取り戻していくか。国や地方自治体からの支援はもちろんですが、特にお金の面においては、「保険」の存在感が増しているように感じます。保険を検討するにあたっては、自分が生活している地域はどれくらい災害発生の可能性があるのかを考えることが大切。ただ、以前のように「災害の起きやすい、起きにくい地域」という危険度認識は、既に通じなくなっているように思います。

2.「災害の起きやすい地域」はもう通じない?

自宅近くに(氾濫の可能性がある)河川があるかどうか。地震が起きる地域かどうか。以前は住まいや職場の場所により、災害の準備は差異がありました。いま、災害はどこで発生するかわからないものになっています。特に数日前から予想できる台風や大雨に対し、地震はある時急に襲ってくる突発的な災害。明日もしものことがあってもいいように、避難食や水分の確保と合わせて家族で災害に対するお金の準備「も」進めておくことが大切です。

河川氾濫に関しては、行政が「ハザードマップ」を発表しています。ただ、2019年に発生した河川氾濫を見ると、土地の高さがなく河川氾濫の可能性が最も高いといわれていた場所よりも、中規模の危険性が訴えられていた地域に大きな損害が目立ったように感じます。ハザードマップは「もっと危険性の高い地域もあるし、そこまで準備しなくても大丈夫だろう」ではなく、自身の生活圏にどれだけの危険性があるのか、比較ではなく絶対評価として活用することが大切です。

3.災害予防のための「保険」

お金の面から災害に対する準備といえば「保険」です。昨今の災害に対して、保険はどのように考えておくべきなのでしょうか。まず、生命保険と損害保険に大別して考えます。

①生命保険と損害保険

普段どれだけ気をつけていても、災害によって亡くなったり、怪我をしたりすることがあります。この対策となるのが生命保険です。怪我をした自分自身の医療費を確保する医療保険と、大黒柱となっていた家族の生活を守るための終身保険や収入補償保険など、誰を保障の対象とするかによって細分化されています。

一方で「モノ」にかかるのが損害保険です。代表的なものは火災保険と地震保険です。地震保険は単体では申し込むことができず、火災保険の特約として加入することができます。地震で発生する津波はこの地震保険でカバーできますが、2019年に頻発した河川氾濫による水害は「地震を起因とするもの」ではないため、火災保険に水害関連の特約をつけていることが保証対象の条件となります。

また意外ですが、洪水によって道路が冠水し、自家用車が流されたとき。多くの場合、車は修理しての再利用が難しくなります。この補償に関しては自動車保険が対象です。対人対物の補償を目的として自動車保険に加入している人も多いとは思いますが、洪水による補償が対象かどうか、約款を見て確認しておきましょう。これは自動車のみならず、家財の補償についてもいえることです。家財は住宅所有だけではなく、賃貸のときに(対管理会社で)どのような契約・補償状況になっているかも確認の対象です。

②「発生しやすい災害」という考えが通じなくなっている

何が起こるかわからない昨今。損害保険はどうすればいいのでしょうか。理想をいうならば、火災も水害も地震も、すべてカバーしている保険加入ラインナップにすることです。当然ながら、それでは保険料が割高になります。

以前であればここでハザードマップを確認し、地震の起きやすさなどを考慮して優先順位を決めていく、というアドバイスがもっとも有効でした。ただ、ここ数年の災害を見ていると、意外な場所での地震も頻発するうえ、一極集中型の大雨によって(線状降水帯という言葉が多く報じられました)、近くに河川が無くても台風が住居を襲い、天井の崩落や床上浸水といった甚大な被害をもたらしています。

自宅はここにあるから、必要な保障はこれだけ、という考え方をいったん見直して、可能性のある災害からどうやって自宅を守るのか、にシフトすることが必要です。確かに損害保険料の負担を高めることで、日常のキャッシュフローが圧迫されるのはお勧めできません。ただ、2019年の大雨のニュースを見て見ると、万が一のときの大きな被害を予防できるのであれば、手厚い補償は不可欠です。これまでの考えを一旦見直し、家族での話し合いや専門家のアドバイスを参考にしながら、いつ起こるかわからない災害に対する「お金の準備」を勧めるようにしましょう。まもなく訪れるお正月など、家族が一堂に揃うため話合う絶好のタイミングであるように思います。

【この記事の著者】

株式会社FP-MYS 工藤 崇

株式会社FP-MYS 工藤 崇

FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

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